Weekend Theater 2007年12月号

このページに掲載されている記事の著作権は著者「安田 昇」にあります。
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12-01(2007年12月7日掲載)

おはよ〜。

12月最初の週末ですね。

早耳の乱入「今日は二十四節季のひとつ、大雪ですね」
のぼちゃん「いっけねー 忘れてた!」
早耳の乱入「日本の古い文化、伝統は大切にしなくちゃね」
早耳、のぼちゃんの冷たい視線を背に、そそくさと退場・・・

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


「ですから、10年ですよ10年。支払いが滞っているばかりか、
相場からして異常に安い金額なんです。大使館の地代ですよ。わかっていますか?」
総務省職員はいぶかしがる大使館員の前に広げた書類を叩きながら言った。
とぼけている訳でもなさそうなのに、なぜか真摯さを感じさせない米国大使館員が答えた。
「はあ。そうですか?Is that true?今調べてみますよ。Wait a second.」
大使館員は端末に指を走らせた。総務省職員は身を乗り出すようにして答えを待った。
大使館員がディスプレイを指で指しながらうなずいていた。総務省職員はそこへ
かぶせるように言った。
「10年前からですよ。地代の支払が滞っているのは。You know?」
「イエス。タイノウ!」
12-02(2007年12月14日掲載)

おはよ〜。

今年もあと2週間って・・。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


NASAの土星探査機、カッシーニは土星の輪を観察していた。輪のデータが示す数字は、
この輪が今まで言われていたように、恐竜が繁栄していた約1億年前に出来たのではなく、
45億年も前に出来たらしいという事だった。大きな成果をあげようとしていた。
NASAの研究員はカッシーニ搭載の学習機能を備えた制御用頭脳コンピュータと会話していた。
NASA研究員    「カッシーニ、その輪にもう少し近づき、さらに詳しいデータを送れ。ちょっと遠いぞ。怖がるな。」
カッシーニ頭脳  「まじで?これ以上近づくのは危ないって。氷やチリの小さな破片に当たったらどうすんねん。」
NASA研究員    「なんとかしろ。」
カッシーニ頭脳  「冗談やろ。こっちは原子力電池3つも積んでんやで。穴でも開いたら致命傷でんねん。」
NASA研究員    「安全も守るようにプログラムされているからそんな事言い出してるのか?
                       だが土星探査が君の使命だ。いいから命令に従え。」
カッシーニ頭脳  「はあ?安全も守って土星に近づく危険を冒せってかい。
                       まったく・・どーせいっちゅうねん。」
12-03(2007年12月21日掲載)

おはよ〜。

冬至。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


神奈川県警の警備課長の警視が、霊感商法に関わっていたとして
県警は事情聴取を始めた。
キャスター「仕事等に悩んでいる部下を中心に勧誘して、『除霊』の為
               と称し、お札など、高額の商品を買わせていたようです。
               中にはワインまで高額で買わせていたようですね。」
解       説「『ぼ除霊ヌーボー』とか言ってたんですかね。」
12-04(2007年12月28日掲載)

おはよ〜。

今年最後のシアターです。
来年も宜しくお願いいたします。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


お正月。
厚塗りで美しく輝くお重の、紅の南天と金箔で描かれた松竹梅の蓋を
取ると、神経質なまでに緻密に並べられた蒲鉾や伊達巻の美しい
色取りに、とりわけ黄金に輝くきんとんの山吹に子供たちは声をあげた。
2段目は煮物に鮮やかな緑の絹さやで細工された松葉や竹梅が、
薄茶の美しい素材をより引き立てた。
「3段目は洋風よ。」
そういう母の言葉に、期待を膨らませた子供たちが目にした3段目には、
薄く美しく切られたローストビーフが花の形に盛られ、その上に大きく
マヨネーズで「ミ」の文字が書かれていた。
ぽかんとする子供たちに、満面の笑みの母が言った。
「今年の干支よ。ま、よ、ねずミ!」

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