Weekend Theater 2003年5月号

このページに掲載されている記事の著作権は著者「安田 昇」にあります。
転載、転用はご自由ですが、著作権は放棄しておりません。
5-01(2003年5月2日掲載)

おはよ〜。

黄金週間。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください


山浦刑事は警官隊にてきぱきと指示を出した。
大量に大麻を隠し持っているとたれ込みがあった
そのアパートの二階隅の部屋には明かりが点き、
窓には影がゆれ、主人が在宅である事を示していた。
「よし!踏み込め!」
山浦の一声でドアが破られ、中にいた男は大勢の
警官隊に取り押さえられた。
部屋に入った山浦はテーブルの上に山積みされている
物を見て愕然とした。それは、ひよこやフライパン、
野菜などの形をした、大量のキッチン・タイマーだった。
5-02(2003年5月9日掲載)

おはよ〜。

立夏を過ぎました。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください


「伍長!今度の作戦は大丈夫だろうな。」
「はっ!大佐!おまかせください。
今回はやる気のある新兵揃いですから。」
「・・・だからしんぺーなんだ・・・。」
5-03(2003年5月16日掲載)

おはよ〜。

5月も半ばを過ぎました。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知金曜ホラー劇場。
お楽しみください


キャスター「ブレア首相が来週にも通貨であるユーロへの
       参加見送りを発表するようです。英国は
       ユーロに参加する条件が整っていないという
       ブラウン財務相の見解を受けての事のようです。
       ここでブレア首相のインタビュー映像が入りましたので
       ご覧ください。」
ブレア首相「ユーロ参加ねぇ・・・。やっぱりポンド(今度)にしよーっと。」
5-04(2003年5月23日掲載)

おはよ〜。

水曜は、季節の植物が全て出揃う
「小満」でした。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知金曜ホラー劇場。
お楽しみください


エヴェレストに、世界最高齢登頂を挑んだ
三浦雄一郎は、ついに地球上で最も高い場所
へたどり着いた。長い道のりだった。いや、
実際の登頂ルートではない。夢だったこの
話が実現化する事が決まった時から、彼の
登頂は始まっていた。高齢の体に、想像を
絶する過酷さだったその厳しい訓練を、
ついに彼は乗り越えたのだ。
ベースが今の気分を聞いてきた。
彼は素直に(最高でーす!)と言おうとした。
寒さでかじかんだ口はうまく動かなかった。
彼は大声で答えた。
「さいこうれ〜っす。」
5-05(2003年5月30日掲載)

おはよ〜。

いよいよ初夏。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知金曜ホラー劇場。
お楽しみください


認識番号0078ジェイク・アーリマン、
海軍特殊部隊最強と言われた男だった。
だが謎の多い男だった。
BBC放送のアーリントン記者は、ついにジェイク・アーリマン
の取材許可を取り付けた。
インタビュー・ルームで彼を待つ間、記者は海軍の
他の兵士達の言葉を思い出していた。
「やつ?アーリマン?ああ、海軍じゃ、最も有名さ。
『奴はまるで鋼』だってな。」
「ジェイクかい?もちろん知ってるさ。『鋼』。これが
奴の最も似合うニックネームさ。」
インタビュー・ルームのドアが開き、ジェイク・アーリマンが
その巨大な肉体をかがめながら入ってきた。
その大きさに少したじろぎながら、記者は右手で
握手を求めた。ジェイクは満面の笑みを浮かべて
その手を握った。記者はその瞬間、なぜ彼が
『鋼』と呼ばれるか判った。記者は思わず叫んだ。
「あっ!はがねぇ!」
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