Weekend Theater 九月号

このページに掲載されている記事の著作権は著者「安田 昇」にあります。
転載、転用はご自由ですが、著作権は放棄しておりません。
9-01(2000年9月1日掲載)

おはよ〜。

夏休みも終わり、
いよいよ秋がすぐそこですね。

さて、今週もいよいよ週末、
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
御存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


レポーター「今日は、ストレス解消方で話題の
      瞑想道場にお邪魔しています。
      こちらにいらっしゃいますのは
      主宰の瀬戸さんです。
      瀬戸さん、今日も大勢の方が
      座禅のようなポーズをして
      いらっしゃいますね。
      あれが瞑想ですか?」
瀬戸   「え〜、そうです。」
レポーター「・・・おや?端の方に、頭を抱え込んだり、
      今度はねそべっちゃいましたねえ。
      あの人も瞑想してるんですか?」
瀬戸   「あ〜。迷走してます。」


9-02(2000年9月8日掲載)

おはよ〜。

秋?のはずなのに、まだまだ暑いですね。

さて、今週もいよいよ週末、
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
御存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


高浜博士と助手の大村助教授は、
期待と不安に少し顔色を青くしながら、
その貯蔵庫の封印を解いた。
ここ30年間、彼らが精魂を傾けた理論が正しければ、
新種ベクター・ウィルスの培養種が、2週間置いてあった
この貯蔵庫の定温ボックスにコロニーを作っているはずだ。
このベクターは狙った塩基配列を確実に思いどおりに
並べ替えてくれるはずだ。そうなったら遺伝子組替えが
大量に行えることになるだろう画期的な実験だった。
彼らは貯蔵庫の中に入り、定温ボックスを
開けた。だが密閉があまかったのだろうか、
中を覗いた博士の目に飛び込んできたのは、
大きな蜘蛛が真中でじっとしている蜘蛛の巣だった。
「博士、実験は!?」
「こりゃスッパイダー。」


9-03(2000年9月15日掲載)

おはよ〜。

ニッポン!チャチャチャ!

さて、今週もいよいよ週末。
連休で月曜にお読みの方、
お疲れさまです。
忙しい中、一服の清涼剤。
御存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


父親が中学生の息子の前で、新聞を読みながら一人ごちていた。
父 「ほう。『ブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブ』か。
   キューバのバンドだな?」
息子「え?なあにそれ?」
父 「ほら、すごいよ。最高齢のコンパイ・セグンドは93歳だって。
   初来日なんだねぇ。有名なのに来た事なかったのか。
   そう言えば日本でも影響を受けたバンドがいくつかあるなぁ。
   中でも『東京キューバンボーイズ』は父さん好きだったなぁ。」
息子「え?・・キューバン?」
驚いた顔の息子の頭の中には、
タコやイカの着ぐるみを着たお爺さん達がいた。


9-04(2000年9月22日掲載)

おはよ〜。

過しやすい季節になりました。

さて、今週もいよいよ週末、
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
御存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


1964年、ニューヨークの弁護士ジェリー・マスッチとジョニー・パチェーコは
自分たちの音楽をめざし、ファニア・レーベルを創立した。
国交を断絶してしまったキューバを渇望し、自分たちのラテン音楽を
創設しようとしていたのだ。ある日キューバの森林から逃げてきた
と言うキューバ人が、聞いたことの無いラテン・リズムを彼らの前で
披露した。「これだ!」と感じた彼らは、その男に聞いた。
「そのリズム、誰に教わった?」
「猿さ。」
サルサの発祥である。


9-05(2000年9月29日掲載)

おはよ〜。

9月も終わっちゃいます。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
御存じ金曜ホラー劇場。
今週は海江田の登場です。
初めての方の為、バックナンバー、
お付けしました。
お楽しみ下さい。


「諜報員 海江田 賢シリーズ」
第三回
「スパイ」

外務省特殊任務事務次官海江田賢は、
ちょといらつきながら本部事務所の
電話の前をうろついていた。
今回CIAとの共同作業で、ハワイから来た
日系2世のハワード捜査官と、
海江田の部下数人でスパイ容疑者の任意同行
を求めに行っていた。
容疑者は日本のロシア大使館に勤務する元自衛官で、
現在はアメリカ国籍を有していた。
立場は微妙だった。反抗に会えば引き下がるしか無い。
ハワードが一人、息を切らせながら戻ってきた。
彼は達者な日本語で叫んだ。
「カイエダサン!ヤツ、ハンコウシタ!」
「やっぱり!で、取り逃がしたのか!」
「・・・? ヤツ、イマ、トリシラベシツ。ホラ・・。」
ハワードは海江田の目前に同行同意書をつきだした。
サイン欄にはサインではなく、朱肉で押印してあった。
海江田は力が抜けた声で呟いた。
「は、はんこう押したのね・・・。」



第一回
「ダライ・ラマ」

外務省特殊任務事務次官海江田賢は、
緊張高まる中国との関係の中、
来日したダライ・ラマの身辺の
異変を未然に防ぐ任務を負っていた。
彼はあらゆる情報ソースから、
ダライ・ラマに敵対する過激派の情報入手に
全力をあげていた。
ダライ・ラマが到着する20分前、
空港に配備していた彼の部下から緊急無線が入った。
部下は悲鳴に近い声で叫んでいた。
「大変です!100人を超える武装集団で
空港の到着ロビーが占拠状態です!」
「何だと!」
海江田は無線で自衛隊へ緊急応援を要請しながら
到着ロビーへ急行した。
顔面蒼白でロビーに着いた彼の目に飛び込んで来たのは、
何と100人を超えるお坊さんの集団だった。
彼はへなへなと座り込みながらつぶやいた。
「ううっ・・。仏僧集団・・・。」


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