Weekend Theater 八月号

このページに掲載されている記事の著作権は著者「安田 昇」にあります。
転載、転用はご自由ですが、著作権は放棄しておりません。
8-01(2000年8月4日掲載)

おはよ〜。

猛暑が続いております。
クーラーなぞで体調を崩さぬよう
お気を付け下さい。

さて、今週もいよいよ週末、
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
御存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


賭博師が数学者のパスカルに尋ねた。
「先生、最後に合計点数の多い方が賭け事に
勝った事になるんだが、一人事故で賭けを
続けられなくなってね。最後まで
勝負できなくなったんで、掛け金を今の
勝ち順に分けようとしたんだ。そしたら
負けてる奴が怒り出してね。
逆転のチャンスをつぶす気かっ!勝負を続けろ!
ってえらい剣幕で・・・。
途中で勝負を止めた時、
掛け金をどうしたら公平に配分できるか
考えては貰えまいか。」
彼は数日間頭を悩ました結果、
現代の学生を悩ませる事になる、
「パスカルの三角形」をあみだした。
理論は解らないが、とにかく公平に
掛け金が分配できると聞いて、
例の賭博師は大変な喜びようだった。
実際、分配が原因で刃傷沙汰
になりかけていたからだ。
満面の笑みを浮かべながら賭博師が言った。
「いや〜、先生、ほんとパスカル。」


8-02(2000年8月11日掲載)

おはよ〜。

暑い日が続きます。
御自愛ください。

さて、今週もいよいよ週末、
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
御存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


その老人は6歳の時に体験した
神秘的な情景に一生を捧げていた。
その時彼の前には確かに「神」がいた。
光り輝く背景の中、シルエットで
手招きをするその「神」は、
唇を動かすことなく彼の脳に直接
語りかけてきた。
「我は生ける神なり。我の元へ出でよ。
永遠をそなたにさずけん・・・。このパピュルスの
草の紋章を目印となさん。」
彼の二の腕には唐草のようなあざができた。
それ以来、彼にとって60年の歳月はすでに
永遠に思えた。だがついに彼は
ここエジプトのルクソール郊外の砂漠に、
彼の二の腕と同じ紋章を持つオベリスク
(門の脇に立つ石の柱)を見つけた。
「おお!神よ!ついにあなたの神殿に
たどり着きましたぞ!」
彼は入り口をまっすぐ迷うことなく進み、
ついに至聖所と言われる神の居室に着いた。
そこにはパピュルスの紋章の着いた大きな椅子に、
干からびたミイラが座っていた。
(時がたちすぎましたか・・・)
がっくりと両膝をつき、うなだれた彼に
なんとミイラが語りかけた。
「ここは神のおわす場所ではない・・・」
彼は驚きにみちてつぶやいた。
「あれ?しんでんじゃないの?」


8-03(2000年8月18日掲載)

おはよ〜。

ちょっとづつ秋の香りがしてきました。
お休みはいかがでしたか?

さて、今週もいよいよ週末、
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
御存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい


吉野川の可動堰計画が、公共事業抜本見直し検討会
によって、「白紙撤回」を勧告された。

記者     「今回の勧告について、見解をください!」
建設省幹部  「代替の洪水対策が決まってないからね。
        どうせ自民の参院戦対策だし。
        大幅に予算増額してもらって
        上流にムダでもつくるしかないかな。」
記者     「ムダ?・・・。」
建設省幹部  「・・ちっ、違う!違う!ダムッ!ダムダムダムダムダ・・・・」


8-04(2000年8月25日掲載)

おはよ〜。

残暑きびしいっす。

さて、今週もいよいよ週末、
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
御存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。

漢詩と漢文では第一人者と言われる
佐伯桃自という博士がいた。
彼は最近の学生の漢字離れに憂慮しており、
いつも周囲にどうしたものかと漏らしていた。
ある日、流行も知っていた方が良いんじゃないかという
友人の企業家に誘われ、サルサのコンサートへ出かけた。
博士はその中南米のリズムの虜になってしまった。
「そうか!これだ!」
彼は、ハタと膝をたたいた。
翌日。
学生「先生!これ、返り点がおかしいですよ。
   ”レ”じゃなく”ラ”って書いてありますが。」
博士「ああ、それね。漢文もリズムが大事だからね。
   ”ラ点”にしといた。」


Weekendのトップに戻ります