Weekend Theater
5月号-3
i-mode版

5-03
(2010年5月15日)
おはよ〜。


夏日だそうです。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、
一服の清涼剤。
御存じ、
金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


エスパー坊主 法念 7

鎮念も法念も幼くして出家した事情があった。
仔細はお互いに話したことも無く知らないが、
なんとなくやはり互いに通じるものがあり、本当の兄弟のように
日々過ごしていた。
二人が良く托鉢に行く長屋に、品の良いおばあさんが
一人で暮らしていた。体も弱く、いかにも貧乏で苦労そう
な風情だったが、二人にはやさしく、いつも何も托鉢できないと
言いながら、水を一杯汲んでくれた。
二人は相談し、他で托鉢にもらった米を、
知らぬ顔で玄関にそっと置いて帰ることにした。
何度か目の時、いつも米を置く場所に一厘の花が置いてあった。
花には短冊がついていて『お前様は』と書かれていた。
二人は花の名前を知らなかったし、意味もわからなかったので
師匠の泰然に聞いてみた。
「どれ、おお、この花はダリア。花言葉は『感謝』じゃな。感謝されとるんじゃないか?」
「師匠様、じゃあこの短冊の『お前様は』っていうのは?」
鎮念が不思議そうに聞いた。泰然も「う〜ん。」と首をひねった。
「・・そうか!判った!!」
法念がひざを打った。
「『お前様はダリヤ?』か!」
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