Weekend Theater
6月号-3
i-mode版

6-03
(2009年6月19日)
おはよ〜。

もう入梅のころですな〜。はやい。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知金曜ホラー劇場。
お楽しみください


CIA特殊捜査官 スニーキング・ジェニー

底なしに深い絶望のような暗闇の海を、
まるで蝙蝠のようにレーダーセンサーだけを頼り、
無灯火低空飛行を続けるP3Cの中でジェニー・オコンナーは
じっと目を閉じ、飛び去ってゆく機下の海を感じていた。
「・・・いた。」
ジェニーがつぶやくと同時に探索員が船影の発見を告げた。
「船影を発見。現在20ノットで当機10Km先を西南西へ進行中。」
「さすが巡洋艦を改造した貨物船だな。スピード狂のように飛ばしやがって。
船影マッチするまでもなくこいつだろう。船影がマッチしたら
本部に報告だ。さあ、スニーキング・ジェニー。出番だ。」
小柄だが締まった体つきと端正な顔つきから強固な意志を感じさせる機長が、
敬意をこめてジェニーの愛称を呼んだ。
太平洋を航行中の北朝鮮貨物船に核物質が搭載されている可能性があり、
衛星追尾していた米軍だが、シンガポール海域周辺で該当船をロスト。
たまたまシンガポールで別の作戦行動をしていたジェニーに白羽の矢が立った。
「機長。機を目標100mでステルス・グライドしてください。」
「!・・ふふふ。私のチームにしかできない離れ業を良くご存知で・・。
総員配置につけ。目標船の100m上空でエンジンを切りステルス・グライド!腕をみせるぞ!」
「ありがとう。機長。」
ジェニーは少し敬礼をすると特殊訓練を受けた新型粒子スキャナを機尾に取りつけ、
電極信号端末を頭に直接かぶった。ロックオンの声と共に静まり返った機内で
ジェニーはスキャナーに全神経を集中した。
「・・?この積荷は・・?・・大根のつけもの??・・カクテキだ!」
ジェニーのつぶやきに機長がたまらず声をかけた。
「核っぽいのか!?」
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