８-０３
(2009年8月21日)
おはよ〜。

もうすぐ処暑。
夏も終わりが近づいていますね。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、
一服の清涼剤。
御存じ、
金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


記者サエコ　1

「経済ヤクザ」

金が金を生む。
この男が手がけると、魔法のように金が増えてゆく。
感情の入る隙間は無い。
最新の経済理論を駆使し、感情を一切排除し、
負けた相手から身包み剥ぎ取るそのやり方に
人々は震え上がった。
その経済ヤクザを人々は「ハゲタカ」と呼んだ。
だがマスコミ嫌いのこの男は謎が多かった。

経済新聞社入社2年目のサエコは、偶然レストランの
バーカウンターでウエイティングをしていたこの男の
隣で飲み物をこぼした。男の服を汚してしまったわけでは
無かったが、必死であやまるサエコに男は笑みを浮かべた。
クリーニング代の請求先にと名刺を差し出したサエコに
男は優しく言った。
「ふ〜ん。駆け出しの記者さんか。もし君に興味があったら
インタビューの機会を作ってもいいよ。」
その言葉にサエコは男の顔を良く見た。驚きと共に声が出てしまった。
「あっ！ハゲタカ！」
男はゆっくりと、かなり後退したおでこをなでながら言った。
「確かに、学生時代の友人と久しぶりに会うとそういわれるな。」

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