Weekend Theater
4月号-2
i-mode版

4-02
(2009年4月10日)
おはよ〜。

夏日になりそうです。春なのに・・。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください


エスパー坊主  法念  3

法念は鎮念と托鉢に出た。農家がほとんどない
寺近くのへの托鉢は、普通のお宅や商店街が中心になった。
修行とは言え年頃の二人には、理解の無い大人達の言葉が
きつい時もあった。特に物乞いと蔑む大人の心は、大抵が自分を
律する事を学ぼうとする修行の心とは対極にあった。
当然、それを学ぶ事はひとつの托鉢の成果ではあるのだが。
もちろん、良い人間達も沢山いた。そしてそちらの方が、よりよい修行に
なる場合が多かった。人の好意に甘えすぎないように自分を律するのは、
怒りをおさえるより難しい。
「鎮念、あそこの和菓子屋、最中を沢山くれたぞ。ただ、生もの
だから、持って帰えらずその場で食えと。僧は『もなかいっぱい』
じゃ。ははは。」
法念はおなかをぽんぽんと叩いた。鎮念はたまらず走って和菓子屋へ
向かった。しばらくして鎮念がとぼとぼと帰って来た。
「どうだった鎮念。お前ももなかいっぱいになったか?」
鎮念は下をむいて首を横に振った。
「もーなかった。」
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