Weekend Theater
3月号-1
i-mode版

3-01
(2007年3月2日)
おはよ〜。


ひなまつりですね。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


ハードボイルドOL
伊集院 涼子シリーズ

第2部
第2回
「ガセ」

米国防省の情報局から、裏の国際核弾頭取引に関わっているらしい
自国の事務次官の、取引相手国とされる側の情報局員が
持っていた盗聴暗号記録を入手したので、解読を
手伝って欲しいとの要請が涼子にあった。涼子はホワイトハウスの
シュチュエーションルームで、担当の情報局部長、大統領補佐官、
国務長官らとディスプレイを前にする事になった。
「どうかね。涼子君。」
補佐官の質問に、太めでやたら汗を拭いている
情報局部長がせっかちに答えた。
「ええ、涼子君なら必ず野郎を公聴会に引きずりだせる
核弾頭取引の言質を掴みますよ。ええ。」
「ケイツ部長、君には聞いておらんよ。」
国務長官が不機嫌な顔をしている補佐官の代わりに言った。
涼子はシュチュエーションルームのワークステーションに次々現れる
暗号パケットを解読する事に集中していた。
(・・い・・じゃな・・か。)
涼子がキーを打ち出すと、音声変換が始まった。
「お!始まったな!今のはなんだ!」
「しっ!静かに!」
またケイツ部長はたしなめられた。
(うん。いいよ。似合ってる。その新い服。)
(あら。そう?うれしいわ。)
「野郎と野郎の愛人だ!」
「黙って!聞け!」
ケイツ部長はまたたしなめられた。
(その髪型がまた・・格段とよいね。)
「今言った?『核弾頭』って言った・・のか?・・あれ?」
補佐官が呆れ顔で、がせネタをつかまされた事に
ようやく気づいたケイツ部長に言った。
「・・不覚だったな。」
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