Weekend Theater
6月号-1
i-mode版

6-01
(2007年6月1日)
おはよ〜。

6月が始まりました。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、
一服の清涼剤。
御存じ
金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


敏行は、都会の便利さに少し食傷ぎみだと、
大した準備も装備も無しに、サハラ砂漠へ来た事を後悔していた。
先ほどまでのひどい砂嵐はおさまったが、
乗っていたジープは半分砂に埋もれてしまった。
ガイドの他、敏行とヨーロッパの言語をしゃべる老夫婦は、見渡す限りの砂の大地で途方に暮れた。
「あっちに緑が見えますねぇ・・。」
おでこに手をがざし、しばらく遠くに目を凝らしていたガイドが言った。
「私たちには見えんが、オアシスがあるのかも知れない。」
老夫婦が言うように、私たちはガイドのその言葉を信じるしかなかった。
小一時間も歩くと、忽然とそこだけ空間に穴が開いたように、
背の高い椰子が生い茂る緑のジャングルが現れた。
しかしその周りには鉄柵がめぐり、入り口らしき門には3人の男が見張りをしていた。
「一人200USドルだって。」
その男たちと何か交渉してきたガイドが思わぬ事を言った。
「こんな砂漠で入場料を取るのか!」
私たちは驚いたが、ガイドはにこっと笑いながら言った。
「ここはほら、オアシッス。」
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