2-03
(2007年2月16日)
おはよ〜。
伊集院、新シリーズ始めました。
不定期にお送りします。
さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、
一服の清涼剤。
御存じ
金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。
ハードボイルドOL
伊集院涼子シリーズ
第2部
第1回
「ダイエット」
今日、涼子はついていなかった。
重要な人物と会うための大事なパーティへ
着てゆこうと思っていたお気に入りのドレスが、
きつくて入らなかったのだ。ここのところ、
政府要人とのアテンドが多くなり、飽食しすぎたせいだろうか。
涼子のIT技術のスーパーストーリーは内外の情報機関で有名になっていた。
全世界に支社のある商社である涼子が勤める会社を通して、各国の情報機関から
コンタクトがあり、社長はまるで涼子のマネージャーのようだった。
パーティは午後7時から。まだ9時間以上ある。
「お昼は抜きだわ。」
社長はあきれていたが、涼子は痩身で有名なエステを予約して、
午後いっぱいを費やす事にした。
エステの全てのメニューは午後5時30分に終わった。
「オンタイムだわ」
涼子は早速ドレスを試してみた。
「いやだ!まだきついじゃない!」
涼子はそれでもむりやり着ようと悪戦苦闘しながら、
社長へ少し遅れそうだと携帯でメールしようとした。
警告音がした。涼子はしまってくれない脇のジッパーを
開けたまま携帯を見て、ドレスを変えるしかない事を悟った。
ソファーに放り投げられた携帯の画面にはこう表示されていた。
『そうしんできませんでした。』
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