Weekend Theater
5月号-3
i-mode版

5-03
(2006年5月19日)
おはよ〜。

小満。万物が成長し始める頃ですね。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、
一服の清涼剤。
御存じ、
金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


男は自分が知っている『おたく』の聖地秋葉原とはちょっと感覚を異にした、
戦争直後の闇市からこうだったのでは無いかと思わせる、小さな店が所狭しと並んだ天井の低い長いガード下を歩いていた。
小さな電子機器や何に使うのか、専門家でないと分からないような道具や部品が駄菓子屋のように雑然と並んでいた。
この奥に通の『メード喫茶』があるという。『メード喫茶』。
一度は行ってみたかったのだが、人目が気になり店にはいる勇気が出なかった。
だがその店は聞いていたとおり、目立たない所に入り口があった。
『メード喫茶』というより、古いジャズ喫茶の風情だ。
こんな所にメードがいるんだろうか・・。
その時、ドアが開いて中から客が出てきた。
ラッキーだ。客を見送るメードが見られるかも知れない。
しかし、客を見送ったのは渋い初老のダンディな紳士だった。
片手でドアを押さえながら、その紳士は客の背中に声をかけた。
「メードありー。」
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