Weekend Theater
1月号-4
i-mode版

1-04
(2005年1月28日)
おはよ〜。

梅が咲いたそうです。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、
一服の清涼剤。
御存じ、
金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


その二人は、小学校の頃から親友とお互いに称してはばからない仲だった。
ひとりは活動的で体が小さく、ひとりは体が大きくおっとりとしていて対照的だった。

その彼女は、彼らが高校2年の春に、彼らのクラスと彼らの心の中にやって来た。
友情とも愛情とも違う微妙な力が、彼らと彼女を思春期の苦い誤解から守っていた。

12年の歳月が流れた。活動的な彼はおっとりの彼に打ち明けた。
「俺、彼女にプロポーズしようと思う。バランスを崩して悪いと思うが、やはり俺には
彼女しかいないと思う。ゆるしてくれ。明日、いつもの店で待ち合わせた。お前にも
来てほしい。祝ってくれたらありがたいのだが・・・。」
翌日、おっとりの彼は時間をわざと遅れてその店に行った。
カウンターに彼がひとりでいた。
彼は入ってきた彼を振り返ると、ため息まじりに両手を広げ、
手のひらを上に向けて肩をすくめて見せた。
マッチで火をつける仕草が好きで、タバコがやめられない
その彼の前にある灰皿には、吸殻より大量に、
黒い墨のような棒が沢山あった。
入ってきた彼はそれを見て言った。
「・・そう。マッチ棒け。」
 驪1月号のトップ
 戀Weekendのトップ