Weekend Theater
11月号-3
i-mode版

11-03
(2002年11月15日)
おはよ〜。

七五三です。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、
一服の清涼剤。
御存じ、
金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


四谷綱紀は、
長年師事した演出の大家で、今は辛口の批評家で知られる蜷山幸雄の門下を出、
「遠い足音」という舞台を初めて完全演出した。
蜷山は彼の実力を認めてはいたものの、初演出の舞台は期待していなかったので、その舞台をまだ見てはいなかった。
ところがこれが大変な評判になり、各界から絶賛を受けロングランが決まった。
蜷山はさすがに周りから批評家として見に行くべきだと言われ、重い腰を上げた。
四谷はスタッフ達と生きた心地がせず、じっと舞台に見入る蜷山から目が離せなかった。
舞台が終わり、幕が下りると興奮した観客から賞賛の掛け声があちこちに上がった。
「四谷さん!見てください!蜷山さんも立ち上がって観客といっしょに『ワンダホー!』って叫んでいますよ!感動的です!」
四谷は涙を流しながら言った。
「いやっ!やぱり気に入らなかったんだ。良く聞いてみろ。」
スタッフは蜷山の声に集中した。
蜷山は両手振り上げ、青筋を立てて叫んでいた。
「なんだ!あほーーーっ!」
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