Weekend Theater
3月号-4
i-mode版

掲載記事の著作権は著者
「安田 昇」にあります。転載、転用はご自由ですが著作権は放棄しておりません。
3-04
(2001年3月23日)
おはよ〜。

いやっほ〜。
暖かくなってきました!

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、
一服の清涼剤。
御存じ
金曜ホラー劇場。
お楽しみ下さい。


「時間の隙間」
シリーズ ディック・ハワード8

ディック・ハワードの住むマンションの隣に、おませな女の子が住んでいた。
『まり』と言う小学一年生の彼女に、ごくたまにエレベータで出会うのだが、外人が珍しいのかとても愛想良く話しかけて来るので、彼もついつい饒舌になった。
日本語の練習に、彼女の単語は解りやすくて助かったし、彼女も英語を聞きたがった。
ある日、彼女の母親だと言う女性とエレベータで一緒になったのだが、彼女は困った顔でこう言った。
「アメリカではどうだか知りませんが、日本では甘いものは虫歯になると教えています。
うちの子は娘ですから、歯並びは将来大切ですので、あまり非常識な事はお教えにならないで下さいね。」
どうしても解せないディックは、後日女の子とエレベータで乗り合わせた時に問いただした。
彼女は心外だと言う顔で言った。
「あら、お母さんにはいつもディックさんに習った事を話しているのよ。この間だって、ディックさんに会ったって言ったら何を習ったのって聞くから、その時教えてもらった英語を話しただけだわ。」
「ソノトキ、ボク、ナニオシエマシタ?」
「蜂蜜はハニイイ」


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