Weekend Theater
1月号-2
i-mode版

掲載記事の著作権は著者
「安田 昇」にあります。転載、転用はご自由ですが著作権は放棄しておりません。
1-02
(2001年1月12日)
おはよ〜。

新世紀、皆様はどんな抱負をお持ちですか?

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、
一服の清涼剤。
御存じ
金曜ホラー劇場。
今回は新シリーズの登場です。
お楽しみ下さい。


CIA特務捜査官 シリーズ 
「スニーキング・ジェニー」

第一回

凍っているように白く曇った滑走路に滑り込んだジャンボ機の、小さな窓にみえる白くくすんだ世界を眺めながら、CIA特務捜査官ジェニー・オコンナーは長官の言葉を思い出していた。
(トロントにあるボーマン遺伝子研究所で、世界的にモラルが問われている人間のクローンが作られているとの情報を得た。成長促進剤を使えば、発生から3ヶ月で成人させられるとの専門家からの情報もある。行って確かめてこい。)
・・・
ボーマン研究所の警備は、特殊訓練を受けている彼女にとってはあまりに軽微だったので、クローニングによって生み出された人間が居るとされる部屋の天井まで忍び込むのはとても簡単な作業だった。
だが、確かに人の気配がするその部屋を覗くのは、やはり勇気が入用だった。
遺伝子工学で生み出されたクローン人間。
ちょっとしたおどろおどろしさがあった。
彼女は大きく深呼吸すると、勇気を持って覗いた。
(・・・な、なによ!)
彼女は自分の目を疑った。
そこには両上腕に青い事務用のカバーを着け、自分より遥かに若い白衣の研究者の座る机の前で、ひたすら謝っている初老の男の姿があった・・・。
・・・苦労人だった。


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