Weekend Theater
九月号−5
i-mode版

掲載記事の著作権は著者
「安田 昇」にあります。転載、転用はご自由ですが著作権は放棄しておりません。
9-05
(2000年9月29日)
おはよ〜。

9月も終わっちゃいます。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、
一服の清涼剤。
御存じ
金曜ホラー劇場。
今週は海江田の
登場です。
初めての方の為、
バックナンバー、
お付けしました。
お楽しみ下さい。

「諜報員
海江田 賢シリーズ」
第三回「スパイ」

外務省特殊任務事務次官海江田賢は、ちょといらつきながら本部事務所の電話の前をうろついていた。
今回CIAとの共同作業で、ハワイから来た日系2世のハワード捜査官と、海江田の部下数人でスパイ容疑者の任意同行を求めに行っていた。
容疑者は日本のロシア大使館に勤務する元自衛官で、現在はアメリカ国籍を有していた。
立場は微妙だった。反抗に会えば引き下がるしか無い。ハワードが一人、息を切らせながら戻ってきた。
彼は達者な日本語で叫んだ。
「カイエダサン!ヤツ、
ハンコウシタ!」「やっぱり!で、取り逃がしたのか!」
「・・・? ヤツ、イマ、トリシラベシツ。ホラ・・。」
ハワードは海江田の目前に同行同意書をつきだした。
サイン欄にはサインではなく、朱肉で押印してあった。
海江田は力が抜けた声で呟いた。
「は、はんこう押したのね・・・。」


 麗「諜報員
海江田 賢シリーズ」
第一回「ダライ・ラマ」


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